防衛装備品や火力・原子力発電設備、航空機エンジンなどを幅広く手がける重工業大手の三菱重工業が 8月4日、2026年4〜6月の3カ月分の決算を発表しました。売上収益は11,942億円で前年の同じ時期より 15.5%増、本業のもうけを示す事業利益は1,596億円と65.1%増える大幅増益となりました。
受注・売上・利益がそろって伸びた3カ月
この3カ月に三菱重工が受け取った注文の総額(受注高)は2兆224億円。前年の同じ時期 (1兆6,092億円)より25.7%増えました。売上収益も1兆1,942億円で15.5%増。本業のもうけ である事業利益は1,596億円と、売上の伸び以上に65.1%も増えています。
利益がとくに伸びたのは「エナジー」事業です。火力発電のガスタービンや原子力関連設備、 航空機用エンジンなどを扱うこの部門のもうけは、前年の564億円から1,014億円へと およそ80%増加。世界的な発電インフラ需要の強さが、三菱重工全体の増益を大きく押し上げた 形です。防衛・航空・宇宙部門(288億円→324億円)やプラント・インフラ部門(185億円→217億円) も、前年を上回りました。
物流子会社を手放し、身軽な決算に
今回の決算で目を引くのが、物流子会社だった三菱ロジスネクスト(現・株式会社ロジスネクスト) を巡る処理です。三菱重工は2025年9月、投資ファンド系の日本産業パートナーズとの間で同社を 非公開化する取引に合意しており、株式譲渡は2026年5月1日に完了。これにより同社は 連結子会社親会社の決算に売上・利益をまとめて計上する子会社。親会社が過半数の議決権を持つ会社などが対象。から外れ、今回の決算から「非継続事業」として切り離されました。
株式譲渡では329億円の譲渡損失を計上した一方、為替換算差額の実現益や税務上の要因も あって、非継続事業からの最終的な損益は66億円の利益を確保しています。あわせて 2026年4月には事業区分も再編し、これまでの「物流・冷熱・ドライブシステム」を 「インダストリアル・ソリューション」という新しい枠組みに統合しました。
通期見通しは据え置き、配当は前期より増額予想
2027年3月期(2026年4月〜2027年3月)通期の業績予想は、売上収益5兆4,000億円 (前期比8.6%増)、事業利益5,400億円(24.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益 3,800億円(14.4%増)で、いずれも従来の予想からの修正はありませんでした。単純計算では、 この1四半期だけで通期の事業利益予想の3割近くを稼いだことになり、滑り出しは順調です。
配当については、2027年3月期の年間配当予想を1株29円(中間14円・期末15円)としています。 前期(2026年3月期)実績の25円から4円の増配となる計画です。

【トレ助のコメント】
1,014億円——三菱重工の「エナジー」事業が今回稼いだ利益で、前年の564億円からおよそ80%増えています。火力発電のガスタービンや原子力関連設備、航空機エンジンといった、派手さはないけれど世界中で必要とされ続ける技術が、会社全体の増益をしっかり支えている構図が見えてきますね。

