元ウォール街トレーダーの高橋ダニエル圭が、日本で始めたのは「投資を学べるSNS」だった。 上場直後は3日連続ストップ高で沸いたが、創業者はやがて保有株をすべて手放して去っていった。 いま会社は、SNSの先にM&A仲介という新しい事業を広げ始めている。

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創業から現在へ — ストーリー

2020 — 2021
元ウォール街トレーダーが東京でDKTを設立
2020年、高橋ダニエル圭は東京都港区にDKT株式会社を設立しました。同氏はコーネル大学を卒業したのち、モルガン・スタンレーやヘッジファンドで10年以上、金融の世界で働いた経験を持っていました。翌年、投資や経済に強みを持つSNS「PostPrime」を公開しています。
2021 — 2022
リリース2週間で登録20万人、社名をPostPrimeに
「PostPrime」は、正式リリースから2週間あまりで登録ユーザーが20万人を超えたと報じられています。翌年には社名をPostPrime株式会社に改め、渋谷へ拠点を移しました。文章だけでなく画像・音声・動画・ライブ配信でも投稿できる点が特徴でした。
2024
東証グロースに上場、3日連続ストップ高
2024年、PostPrimeは公開価格450円で東証グロース市場に上場しました。元ウォール街トレーダーが率いる会社への関心から、上場後は3日連続でストップ高をつけています。もっとも、この上場のお金の流れには、のちに大きな疑問符がつくことになります。
2024 — 2025
子会社を通じて取引プラットフォーム事業に参入
上場後、PostPrimeは子会社を通じて商品CFD取引プラットフォーム「TakaTrade」の準備を進めました。商品先物取引業者としての許可を得て、翌年にサービスを始めています。SNSの利用者を新しい収益源へつなげる狙いがありました。
2025
創業者が代表取締役を退き、経営体制を刷新
2025年、PostPrimeは「特定の人物に依存する経営からの脱却」を理由に、経営体制の見直しを始めました。同じ年の暮れには浅見直樹が新たにCEO代表取締役社長に就任し、創業者の高橋ダニエル圭は取締役アドバイザーという立場に移っています。
2026
創業者の持ち株はゼロに、代表取締役はさらに交代
2026年明け、高橋ダニエル圭の保有株は、サイブリッジ合同会社への譲渡によってゼロになりました。同じ年、PostPrimeはTakaTradeの取引プラットフォーム事業を終える一方、M&A仲介会社インフィニティライフを買収し、新しい事業の柱を探し始めています。代表取締役社長も浅見直樹から松島悟へと交代し、経営体制の見直しはなお続いています。
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事業の構造 — 何で稼いでいるか

柱 01
投資が学べるSNS「PostPrime」
文章・画像・音声・動画・ライブ配信で、投資や経済についての情報を発信できるSNSです。閲覧数やいいねの数をもとにした独自の「バッジシステム」で発信者の質を評価し、評価の高い発信者ほど有料化しやすい仕組みになっています。
柱 02
有料視聴とメンバーシップによる収益
発信者の投稿を有料で視聴する「プライム登録」や、割引や限定機能が受けられる「メンバーシップ」への課金が主な収益源です。このほか、投げ銭にあたる「ありがとう」機能やアフィリエイト広告からの収益もあります。
柱 03
事業承継・M&A仲介
2026年に完全子会社化したインフィニティライフを通じて、学習塾や不動産業界向けのM&A仲介を手がけています。SNSの約43万人のユーザー基盤を、M&A案件を見つけるための入り口として活用する狙いです。
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投資指標

株価
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東証プライム
前日比
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配当利回り
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年間予想
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株価収益率
PBR
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株価純資産倍率
時価総額
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円換算
52週高値
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過去1年
52週安値
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過去1年

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投資家の博士

投資家目線のポイント

この会社は、創業者である高橋ダニエル圭への依存度を有価証券報告書で開示してきました。同氏が出演するSNSやYouTubeチャンネルは、会社収益の約3割を占めるとされています。同氏はすでに代表取締役を退いており、この依存度が今後どう変わっていくかが、経営の安定性を測る手がかりになりそうです。

PostPrimeは、取引プラットフォーム事業を1年足らずで終え、M&A仲介事業に参入するなど、事業の入れ替わりが速い会社です。新しい事業のニュースに接したときは、それが軌道に乗るまでにどれくらいの時間がかかりそうかを見る視点が参考になりそうです。

元ウォール街トレーダーが日本で始めたSNS

高橋ダニエル圭は、コーネル大学を卒業して間もなくモルガン・スタンレーに入社し、リーマン・ショックを機にヘッジファンドのトレーダーへ転じたと伝えられています。26歳のとき仲間とヘッジファンドを立ち上げ、30歳で持ち株を売却してシンガポールに移り住んだといいます。

60か国近くを旅したのち日本に戻り、金融や経済を解説するYouTubeチャンネルを始めました。この配信活動が、のちのPostPrimeの土台になっています。

「3日連続ストップ高」の裏側にあったお金の流れ

2024年、PostPrimeは公開価格450円で上場し、直後は3日連続でストップ高をつけました。しかし、このとき会社が新たに発行した株はわずか10万株で、会社に入った資金は3000万円ほどにとどまっています。

一方、高橋ダニエル圭は自身の保有株283万株を売り出し、約12億円を手にしたと報じられています。会社に入るお金より創業者個人に入るお金の方がはるかに大きいこの構図は、複数の媒体で「上場ゴールではないか」と指摘されました。

創業者依存からの脱却と、株式ゼロへの道のり

PostPrimeは有価証券報告書で、高橋ダニエル圭への依存を経営リスクとして開示してきました。会社は2025年、「特定の人物に依存する経営からの脱却」を掲げて代表取締役の体制を見直し、同じ年の暮れには浅見直樹が新たにCEOに就任しています。代表取締役社長はその後も交代が続き、翌年には松島悟が新たに就任しました。

この間、高橋の持ち株比率も少しずつ下がっていきました。2026年明け、サイブリッジ合同会社への譲渡によって、高橋の保有株はゼロになっています。

取引プラットフォーム事業、1年足らずでの終了

2025年、PostPrimeは子会社TakaTradeを通じて商品CFD取引プラットフォームの提供を始めました。PostPrimeの利用者を新たな取引サービスへつなげ、収益の柱を増やす狙いがありました。

ですが翌年、会社は事業環境や競合状況を精査した結果としてサービスの終了を決めています。約1900万円の損失を見込んだうえで、経営資源をSNS本体と新しい事業に集中させる判断でした。

SNSの先に見つけたM&A仲介という新しい柱

取引プラットフォーム事業の終了と同じタイミングで、PostPrimeは学習塾や不動産業界向けのM&A仲介を手がけるインフィニティライフを、1億円あまりで完全子会社化しました。

狙いは、SNS「PostPrime」の約43万人のユーザー基盤を、M&A案件を見つけるための入り口として使うことです。上場からわずか2年で、この会社の事業の中身はすでに大きく姿を変えています。

主な参考資料(14件)